ANSYS workbenchで応答局面+最適化シミュレーションをしてみた

シミュレーション

製品設計では、狙いの性能を得るために、寸法や材料をいろいろ入れ替え、試作・あるいはシミュレーションをし、得られた結果から次の設計案を考える、というプロセスを繰り返します。

今回は、ANSYS Workbenchを用いて、このプロセスを実施してみました。

簡単な構造の応力計算をして、実験計画法でどのような水準を試すべきか洗い出し、得らえた結果から応答局面を作成、応答局面から予測される最適デザインを実際に計算してみました。



計算概要

今回は、円柱の上面から荷重をかけ、底面を固定した条件にて、

・最も軽量
・最も発生する応力が小さい

を目的とした最適化計算をしてみました。

構造の作成とパラメータ設定

構造は、SpaceClaimで作成します。

形状を自動変更する必要があるため、SCDM内で寸法をパラメータとして設定します。

「プル」を選択した状態で面を右クリックし、「定規」オプションを選ぶと、寸法の右側に表示される「P」を押下します。

駆動寸法が定義されますので、径をfai、厚みをlengthと名称を付けました。

workbenchに戻ると、「パラメータセット」が定義されています。

これをダブルクリックすると、パラメータがどのような値で設定されているか確認できます。

構造解析の設定

Mechanicalの設定を行うために、「セットアップ」をダブルクリックします。

物性値などはデフォルト(構造用鋼)のまま、メッシュを生成します。

メッシュもデフォルトの条件です。

円柱の上から付与する力を定義します。

10Nの荷重を定義します。

この大きさの右側にあるチェックボックスをクリックすると「P」と表示されます。

これで、荷重もworkbench側から変更することができるようになります。

シミュレーションから出力する結果として

・応力
・変異
・体積

を定義します。

相当応力を結果に追加します。

同様に、トータルの変形量も追加しておきました。

体積も出力します。

荷重と同じように、これら3つの出力に対してもパラメータを設定します。

「P」と表示されている項目が、workbenchに読み込まれます。

試しに計算して応力を計算してみました。

workbenchに戻り、パラメータセットを確認してみます。

「入力パラメータ」と「出力パラメータ」に、任意の値が入っていることが確認できます。



実験計画法による計算水準の決定

では、応答局面最適化のフローを実行していきます。

「設計調査」から「応答局面最適化」を選択し、パラメータセットの下にドラッグアンドドロップします。

実験計画法をクリックし、計算水準を決めます。

入力パラメータの上下限を設定します。

今回は、直径を10mm~20mmとしました。

同様に、かける荷重の大きさを決めます。

使用可能な値に「製造可能値」を選択すると、いわゆる離散変数として設定できます。

今回は、5N,10N,15Nの3水準を計算します。

上下限を入力したので「プレビュー」で実験計画による計算水準を確認してみます。

16水準を計算すれば、応答局面を作成するのに十分なデータがとれると判断されたようです。

実験計画法で求めた水準を、最適な順番で実行するように、右クリック>更新順序の最適化 を選択します。

計算順序が変わっていることがわかります。

「更新」を押下すると、計算が実行されます。

計算の進捗状況は、「進行状況を表示」ボタンから確認できます。

「設計ポイント1に対する性的構造のモデルコンポーネントを更新します」とあるように、1番目の設計案を試しているところのようです。

計算を続けると、15分ほどで全ての計算が終了しました。

結果を確認します。

各荷重ごとに、応力と体積をプロットしました。

左下にいくほど狙いの値に近い結果です。



応答局面の作成

応答局面を表示してみます。

プロジェクト概念図の「応答局面」を押下し、応答局面を3D表示します。

φの影響が大きく、lengthの影響はほどんとないという結果でした。

応答局面を使った最適解の探査

さきほどの応答局面を用いて、最も良い点(最適点)を探査します。

長さ、径、力の大きさにチェックが入った状態にします。

これらに目標と制約を加えていきます。

目標は、

・応力の最小化
・体積の最小化
です。

今回は、荷重の大きさを10Nにしたとき、最も軽く発生する応力の小さい構造を探査します。

「更新」を押下すると、応答局面から最適解を探します。

応答局面はシミュレーションを解くわけではないのですぐに終わります。

「候補ポイント」には、最適解となりうるいくつかの設計案が提示されます。

3つの設計案が提示されました。

長さ、φに対して、予想される応力値と体積が表示されます。

つまり、「この候補ポイント1が最適な設計案だよ」とworkbenchは予測しているわけです。

最適設計案でシミュレーション

今回は、もっともよさそうな「候補ポイント1」について、シミュレーションで値を確認してみます。

応答局面はあくまで近似なので、実際にシミュレーションをまわしてみて、本当に最適解が性能よくなるのか確認します。

ポイントの画面上で右クリックし「設計ポイントとして挿入」を押下します。

「パラメータスタディ」のタブに移ると、先ほど設計ポイントとして挿入した設計案がパラスタとして表示されます。

「すべての設計ポイントを更新」にて、計算を実行します。

結果が得られました。

応答局面の予測値と比較します。

応答局面の予測値シミュレーション結果
相当応力22,973 [Pa]22,893 [Pa]
体積1.38 [cm3]1.38 [cm3]

応答局面の予測値とシミュレーション結果がよく一致しており、作成した応答局面が妥当であったことがわかります。

さきほどのグラフに最適点をプロットしました。

最適解が、ほかの点よりも左下に位置していることがわかります。

今回は、簡単な構造に対して、実験計画によるパラスタと応答局面作成、最適解予測と検証を一通り実施してみました。

この手順で、トレードオフの関係にある様々な事象が予測できそうなので、いろいろ試していきたいと思います。

Images used courtesy of ANSYS, Inc.

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