ANSYSはノートPCでも使えるのか?インストールして計算してみた。

シミュレーション

シミュレーション用のソフトウェアANSYS。

このような専門的なソフトウェアは、一般的に、ワークステーションと呼ばれる計算専用PCにインストールして使います。ワークステーションは20万円から、高価なものは100万円を超えます。

一方で、最近はノートPCのスペックも上がってきており、最新のノートPCならばANSYSですら使えるのではないか?と思い、手元のノートPCにインストールしてみました。

ANSYSはノートPCでも使えるのか?

結論、ANSYSはノートPCでも使えるようです。

試してみたところ、インストール、CAD操作、計算実行まで、問題なく利用できますた。

ただ、端末が熱くなる、メモリが少ない、など課題も見られました。以下で詳しく説明します。

ANSYSをインストールしてみたノートPC

今回試すPCは、Surface Laptop 4です。

MicrosoftのノートPCで、2021年のモデルです。15万円くらいで購入。

CPUは11th Gen Intel(R) Core(TM) i5-1135G7 @ 2.40GHz。メモリは8GBです。OSはWindows 11 Home。

インストーラーをダウンロード

ANSYS Studentのインストーラーは、以下からダウンロードが可能です。

Ansys Studentバージョン | 学生向け無料ソフトウェアのダウンロード
Ansysは、あらゆるレベルの学生にシミュレーションエンジニアリングソフトウェアを無償で提供し、無料のコース、チュートリアル、学習フォーラムで学生をサポートしています。

上記リンクにアクセスすると、ANSYSの公式サイトに飛びます。

ANSYSのサイトから、ANSYS Studentをダウンロードします。

ANSYSACADEMICSTUDENT_2022R2.1_WINX64のzipファイルがダウンロードできました。

この2022バージョンは、ライセンスの有効期限が2023年7月31日までです。それ以降はソフトウェアが利用できなくなりますので、毎年再度ダウンロードしてインストールを行う必要があります。

zipファイルを展開します。

解凍したフォルダ内のsetup.exeを実行します。

ライセンスの利用規約に同意します。

インストールディレクトリを指定します。(デフォルトのまま)

10分もかからないうちにインストールが完了しました。

「終了」ボタンを押します。

アプリケーションの一覧に、ANSYS製品群がインストールされていることがわかります。

実際に使ってみます。

CADを使ってみる(SpaceClaim)

試しに、SpaceClaimを使ってみました。

起動に時間がかかり(1分くらい)ます。起動時間の遅さは、高性能端末でも同じでした。起動遅いのなんとかしろ。

作図してみたところ、サクサク動きます。

驚きました。まさか普通のノートPCでANSYSが使えるとは。

Fluentを使ってみる

次に、ANSYS Fluentを起動してみます。流体解析用のソフトウェアです。

問題なく起動できました。

ついでなので、メッシュ作成と簡単な計算までやってみます。

Fluent Meshingにて、先ほど描いた絵を要素分割できました。

name id cells (quality < 0.10) minimum quality cell count
------------------------- -------- ---------------------- ---------------- ----------
Overall Summary none 0 0.60384 56761

このモデルの要素数は56,761です。

私の使っているノートPCのメモリ量(8GB)では、多くても10万要素くらいが限度ではないかと思いますが、限界は検証していないため不明です。

計算も問題なく完了。ただ、放熱が追い付いていないのか、PCはアチアチになります。

プリ、ポストはノートPCで行い、計算はワークステーションで、などの使い分けが必要かもしれません。

OneDriveには未対応

Microsoftの提供するクラウドストレージOneDrive上のファイルをよみこもうとすると、以下のようなエラーとなります。

Error: Error occurred during import.
Error Object: #f
Error: Importing the selected file could not be completed. Check to make sure that the selected file format is supported. In addition, check to make sure the CAD Readers are properly configured for the format using the CAD Configuration Manager utility.
Error Object: #f

OneDrive上のファイルは読み込めないようなので、ローカルのストレージ(Cドライブなど)に保存していくのがよさそうです。

※本記事は自己学習のメモであり、ANSYS Studentを利用する学生の手引きとなるように書き残しているものです。

Images used courtesy of ANSYS, Inc.

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