ANSYS FluentのDEM機能で粒子を流して計算してみる

シミュレーション

FluentでDEM粒子を含む計算を実施してみました。

簡単に手順を紹介します。

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DEMとは

DEMは、Distinct Element Methodの略称で、離散要素法とも呼ばれます。

粒子の運動を時事刻々と追跡する分子動力学に似たような手法ですが、回転自由度、接触、多面体などのジオメトリを再現できる点で、DEMと分子動力学は区別されます。

一般的に、粉や粒子の計算、ときに飛沫計算などにも用いられます。

ANSYS FluentにもDEM機能が搭載されているようなので、試しに管の中を流れる粒子の計算をやってみます。

計算の前提

Y方向に流れる配管の計算に、DEM粒子を流してみます。流れの流速は1.0m/sです。

1TimeStep=0.05秒として、1秒までは粒子は流れず、1-3秒の間に粒子が流入する計算を行います。

この間、ガスの流速は1.0m/sで一定とします。

モデルの設定

管の中の流れの計算ファイルがある前提で、手順を説明します。(配管流れの設定方法→ANSYS Fluentで流体解析をやってみる)

まず、計算を非定常に設定します。

DEMのモデルは、「Discrete Phase」をONにすることで有効化できます。

開いたウインドウの「Interaction with Continuous Phase」にチェックを入れます。

粒子の流入面(どこから粒子が流入するか)を設定します。

Injection Typeをsurfaceとすることで、流速入口(inlet)を流入面に設定できます。

Y方向の初期速度は与えずに、X,Z方向に0.1の流速を与えます。

粒子の径は0.001m(1mm)とします。

Time=1秒からパーティクルが流入して、3秒まで流入し続ける設定とします。

計算を初期化します。流れのinitializeと、Reset DPM Sourcesをクリックします。

計算実行

まず、DPMが流入する1.1秒まで(=計21TimeStepsぶん)の計算を実行します。

右の絵にあるように、21TimeStepで最初のパーティクルが流入します。

さらに、1TimeStep=0.05[s]ずつ計算を進めて、結果を確認します。

1TimeStepごとの、DEMの可視化結果です。

パーティクルの流入流速は0[m/s]で、ガスが1.0[m/s]ですので、パーティクルはガス流れに依存して流れていることが分かります。

ちなみに、重力は考慮されていません。

コンター図は、Particle Tracksのコンター図を表示しています。

Trrack Styleをsphereにすると、実サイズでの粒子可視化が可能です。

ライティングなどの設定で、派手な絵になります。おもしろい。

より高度な設定

今回の計算には、粒子間の反発係数や、粒子と壁の反発は含まれていません。

粒子の反発を加味する場合、DEM Collisionの設定を行います。

粒子間、粒子と壁、それぞれで反発係数を設定できます。

ただ、粒子間作用を加味すると、計算安定性や収束性が悪化する可能性があります。まずはシンプルな系で計算してみることをお勧めします。

まとめ

DEM計算を実施しました。

DEMは結果が派手なので、見ているだけで面白い計算です。

応用範囲も広そうですが、粒子数が増えると計算負荷も大きくなりそうなため、遊びでやるくらいが丁度よいのかもしれません。

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