ANSYS Fluentで流体解析をやってみる

シミュレーション

前回までで、 ANSYS WorkbenchとSpaceClaimを使った三次元モデル作成と、Fluent Meshingでのメッシュ作成を実施しました。今回は、 Fluentにて境界条件を設定し、ガス流れを計算してみます。

解析モードに切り替える

FluentMeshing画面から、「解析モードに切り替え」でFluentの設定画面に遷移します。

Ensure that the mesh is valid for use in solution mode and the mesh check dose not report any problems before switching to solution mode. Switch to solution?

といったワーニングが表示されますが、要するに「ちゃんとメッシュ切れてるか確認してね」ということなので、「Yes」を選択して大丈夫です。

Fluentの画面に切り替えると、左側のアウトラインビューが画像のように変わります。

今回は、上側からガスが流入して、円柱の中を通って下側に抜けていく、という非常に単純な系を考えますので、境界条件の設定はinletのガス流速を指定することだけです。

inlet流速を定義する

ツリーから、境界条件>入口>inletをダブルクリックします。

流速の大きさの項目に流入流速を指定します。今回は1[m/s]とします。

解析設定を定義する

ここからは、ソルバの設定に関する操作です。
まず解析>モニタ>残差 をダブルクリックし、残差モニタを表示します。

高度なオプションを表示し、収束基準をnoneに設定します。
これは、計算中に収束基準の残差に落ち着いても計算を止めないというもので、のちに指定するiteration数の最後まで計算を継続する、というものです。

初期化の設定をします。

解析>初期化 をクリックし、タスクページに表示される「初期化」をクリックします。
すると、以下のようなアウトプットがコンソールに表示されます。

Initialize using the hybrid initialization method.
Checking case topology…
-This case has both inlets & outlets
-Pressure information is not available at the boundaries.
Case will be initialized with constant pressure
iter scalar-0

1 1.000000e+00
2 3.630868e-04
3 2.129214e-05
4 7.321140e-06
5 1.258207e-06
6 3.305619e-07
7 5.315902e-08
8 1.420382e-08
9 2.284159e-09
10 6.109433e-10
Hybrid initialization is done.

このように表示されれば、初期化が完了です。

Fluentの計算初期化にはいくつか種類があります。
Hybrid initializationは、最初数Iterationを事前に実施しておくことで、計算を安定的に進めることができる初期化方法のようです。
一方、standard initializationは、初期値を明示的に指定して初期化します。例えば、全ての要素に対して、初期値を圧力0とする、といった方法です。
どちらの初期化方法が良いかは問題によりますが、基本的にHybridでやっておけば良いです。収束性が悪い場合には、他の初期化方法を試すのが良いと思います。

計算実行する

計算実行します。
解析>計算実行 のタスクページにて、反復回数を指定します。今回は200回としました。

反復回数を指定したら、計算を実行します。

計算を開始すると、コンソールに残差の値が表示され、残差モニタが表示されます。
残差が順調に下がっていくと、計算が収束していると考えられます。

90iterほど計算できたところです。
右下の「停止」ボタンを押して計算結果を確認してみます。

結果の確認

断面の流速分布を確認します。

サーフェス>平面 を選択し、まず断面を作成します。

断面の作成方向と、名称を指定します。今回はデフォルトで断面を作成します。

コンター図を表示します。

結果>グラフィックス>コンターをダブルクリックすると、コンターを表示するためのウインドウが表示されますので、上の図のように設定します。

流速コンターを表示できました。
ライティングによって、暗くなりコンターズが見えづらくなることもあるため、ライティングのチェックを外しておくと良いかもしれません。

ANSYS FluentとSpace Claimを使った簡単な流体計算を実施しました。
より複雑な計算をするにしても、まず簡単な計算で一通りの流れを試してみるのが良いと思います。

Images used courtesy of ANSYS, Inc.

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