重慶太藍新能源(Talent New Energy)は、近年注目を浴びている半固体電池の技術を持つ企業の一つです。その半固体電池技術について深堀りし、その特徴や可能性について考察します。
太藍新能源とは
重慶太藍新能源(Talent New Energy)は、その名の通り新しいエネルギー技術を追求する企業として知られています。
半固体電池の特徴
太藍新能源が取り組む半固体電池は、特に酸化物系に焦点を当てています。この酸化物系固体電解質は、リチウムイオンの伝導率が低いという課題があり、電極と電解質が固体同士のため、接触を維持するのが難しいのです。しかし、太藍新能源は以下の技術を取り入れることで、これらの課題を克服しようとしています。
- 電解質を超薄膜化する技術
- 界面を柔軟化する技術
これらの技術の結果、同社の製品は第1世代が液体電解質の含有量5~10%の半固体電池で、第2世代は5%以下の半固体電池として市場に出ています。年末には、この第2世代製品の量産が開始される予定です。
同社の半固体電池の性能
現在実用化されている電池で最もエネルギー密度が高いものは、ニッケル系リチウムイオン電池で250Wh/kgです。実用化が期待される全固体電池は、セルとしてのエネルギー密度が500Wh/kgを目指しています。
液系の電池と、全固体電池の中間に位置するのが半固体電池です。
半固体電池は、その高い性能と安全性から多くの企業が注目しており、NIOやCATLなどの大手も開発を進めています。2021年にNIOが発表した半固体電池は350Wh/kgとされており、2023年にCATLが発表したCondensed battery(凝集態電池)は、同じく半固体電池に相当する技術で、エネルギー密度500Wh/kgを実現したとして、驚きを持って伝えられました。
CATLやNIOなどの中国のEV電池大手に対して、Talent New Energyのスピードは2年遅れて実現しています。電池は規模がモノを言う世界です。電池の大量生産のための投資を十分に続けられるかが肝になります。
まとめ
重慶太藍新能源(Talent New Energy)は、半固体電池および全固体電池の革新的な技術を持つ企業としてプレゼンスを示しつつあります。
他社と比較して安価で高性能、かつ安全な電池を量産できるかどうかによって、この企業の生き残りが決まります。電池大手に比べてシェアの大きい企業ではありませんが、今後も注目が必要な企業です。
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