AIによる自動化はもはや仕事を奪うものではない

技術者のキャリア

現代の製造業において、人手不足が深刻な問題となっています。しかも、この問題は今後もさらに深刻化すると予想されています。

私たちの仕事がAIにより代替される、と煽られているなかで、将来への不安や懸念があることも事実です。

この記事では、AIによる自動化は仕事を奪うものではないこと、AIを上手く活用することで、製造業における人手不足の問題を解決する方法を考察します。

AIによる自動化は仕事を奪うのか?

Siemens(シーメンス)の役員Cedrik Neike(セドリック・ナイケ)氏は、HANNOVER MESSE 2023において、「自動化はもはや仕事を奪うものではない」と強調しました。

彼は、製造業の従事者が減り続ける中で、AIによる自動化を新しい展開として捉えているのです。AIは仕事を奪うのではなく、人が不足して「できなくなった仕事を補う」役割を担うはずです。

規制を議論している場合ではない

AIビジネスに乗り遅れた連中が規制を叫んでいることも現実です。

しかし、これは欧州での排ガス規制やEV化の政策と変わらないものと考えられます。

製品の価値は、ハードからソフトに移行しており、「何によって作られたか」は重要ではありません。作ったのがAIでも人間でも、使う側には関係がないのです。

製造業の従事者は、AIによる自動化に追いつく必要があります。

製品の価値はソフトウェアに移行

従来は、製品の価値は製造過程や素材の品質によって決まっていました。

しかし、今日では、その価値はソフトウェアに移行しています。

AIによる自動化によって、ハードウェア側の開発は、人も金も減らされていく傾向があります。

そのため、なるべく早い時期に自動化を成し遂げないと、ハード設計の工数が無くなってからでは、何もできなくなります。

何からすべきか?

AIによる自動化を実現するためには、まずデータをためることが必要です。あるいは、PowerAppsやエクセルBVAから始めてもよいでしょう。

高度なことはしなくても大丈夫です。AIツールは今後膨大に住みだされるため、それらを上手く活用することが重要です。

こうなったらいいなを考え続けることも大切です。例えば、3D CADを図面に落とす作業や、資料作成を自動化することに対して、「面倒だな」「自動化できないかな」と考えみましょう。

特にOffice系の作業は、今後AIによって自動化されることがほぼ確定しているので、「こうなったらいいな」をためておきましょう。。

AIと共に働く

知的生産がAIに置き換わると考えられる一方で、実験やモノづくりがAIに置き換わるには時間がかかると言われています。

ソフトウェアの進化は早い一方で、ハードウェアの進化は遅れているためです。

AIをうまく使って、今までチームでやっていた仕事を個人でやれるようになることが重要です。

CADで図面を書いたり、CAEの作業をAIで効率化することで、実験やモノづくりに割ける時間が増えます。AIによる自動化によって、個人がより多くの仕事をこなせるようになります。

また、AIによって取り組むことが難しかった課題にも取り組めるようになります。これまでCAEは使ったことがなかった、という方も、AIと協業することで、新たな技術分野を習得することも容易になります。多くの分野の知識を、うまく使いこなしていくことが求められています。

まとめ

AIによる自動化は、もはや仕事を奪うものではありません。

製品の価値はソフトウェアに移行しており、ハードウェア側の開発は減少傾向にあります。

AIを活用することで、個人がより多くの仕事をこなせるようになるため、積極的に取り入れていくことが必要です。

まずは基本的なオートメーションから取り入れて、AIと共に働きながら、より効率的な仕事を行いましょう。

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