上司や同僚との意見の相違 – なぜ起こるのか、どう乗り越えるのか

技術者のキャリア

職場で意見が合わないことはよくあることです。特に技術者の職場では、その問題はより顕著に現れます。

本記事では、上司や同僚との意見相違が起こる理由や、その乗り越え方について考えていきます。

上司や同僚との意見相違が起こる理由

まずは、なぜ上司や同僚との意見相違が起こるのかについて考えてみましょう。

意見相違が起こる理由

  • 個人の経験や知識の違い
  • コミュニケーションの不足やズレ
  • 人間関係や組織文化の影響

個人の経験や知識の違い

技術者であっても、専門分野や経験によって得た知識が異なることがあります。そのため、同じ技術や問題に対しても、見方や判断が異なることがあります。

コミュニケーションの不足やズレ

コミュニケーションの不足やズレが原因で、誤解や不信感が生じることがあります。たとえば、情報共有が不十分であったり、コミュニケーション方法が異なる場合などです。

人間関係や組織文化の影響

人間関係や組織文化によって、意見や発言のしにくさや、意見を否定されたと感じることがあるかもしれません。また、上司の指示に従わなければならないというプレッシャーによって、自分の意見を言えないこともあるでしょう。

上司や同僚との意見相違を乗り越える方法

上司や同僚との意見相違が生じた場合、その問題を解決するためにはどうすればよいでしょうか。

意見相違を乗り越える方法

  • コミュニケーションを密にする
  • 相手の意見に耳を傾ける
  • 問題を客観的に捉える

コミュニケーションを密にする

コミュニケーションを密にすることで、情報の共有や誤解の解消しましょう。

相手の考えは、想像しているだけでは分かりません。意思疎通に齟齬が発生しているのであれば、もっと話してみるべきです。

コミュニケーションのツールは、相手に合わせて使い分けると良いでしょう。直接話すのが苦手なら、メールやチャットが良いでしょうし、親しい間柄であれば、一杯飲みに行くのでもよいでしょう。

壁を壊せば味方になってくれる

私が過去に関わった人のうち意見が合わなかったのは、ほとんどが「普段あまり会話しない人」です。少し遠い上司、他部署の上司、疎遠な同僚などが該当します。

シミュレーション技術開発を進めるとある会議で、他部署の偉い人に「それ機械学習の方が早いんじゃね?」という意見を出され、自分なりに説明したものの、シミュレーションをする意味を理解して貰えませんでした。

その会議の後、偉い人に何度も時間を貰って、なぜシミュレーションでやるのかを議論し続けました。最終的には、一部機械学習も用いる方が効率がよさそうだ、という結論に至り、自分にない視点も取り入れることができました。

一度、こちらの考えを理解して貰えると、そこからは自分を支えてくれる良きアドバイザーとして協力いただけるようになります。あきらめずに、お互いの考えをぶつけ合う場を設けましょう。

相手の意見に耳を傾ける

傾聴は、コミュニケーションを円滑にするうえで重要な要素です。上司や同僚にも、それぞれ考えや立場があります。

自分の意見だけを主張するのではなく、相手の意見にも耳を傾けましょう。

相手の立場や背景を考慮することで、相手の視点を理解しやすくなります。その上で、自分の意見を伝えることで、相手との妥協点を見つけることができるかもしれません。

相手の意見を尊重して折れることも作戦

あるとき「来週の出張は中止でおねがいします」というメール一通が届き「直前なのに何故だ!」と腹が立って、上司に直談判しました。必要な出張であることを伝えたのですが、私も焦って感情的になってしまい、議論は平行線に終わりました。イライラしたままトイレにこもって15分ほど頭を冷やしてから、なぜ旅費が出せないのか、上司に聞いてみることにしました。

どうも、その年の経営が芳しくなく、出張旅費の一律削減がすべての部署に指示されていたようで、上司もやむなく、みんなにお願いして回っていると言っていました。にもかかわらず、自分の立場だけを優先して感情的に意見をぶつけてしまったことを、素直に上司に謝りました。

後日、別件で海外出張が必要になった際、上司は「あの時のこともあるからね」と、優先的に旅費を確保してくれました。自分が一旦折れることで、あとで得をすることもあります。

問題を客観的に捉える

意見相違が生じた場合、感情的になってしまうこともあるかもしれません。しかし、問題を客観的に捉え、解決策を探ることが大切です。

技術の前ではみな平等

ある流体製品の設計で、流路の長さと表面粗さ、どちらが圧損に対して主要因か、という議論していました。部品設計を担当する私と、図面承認をする上司との間で議論になっていました。

この問題は、流路の表面粗さの影響度は流路の幅に依存することから、複数の要因が絡み合う問題で、技術的に深い知見が必要になります。この点にいち早く気付いたのは、その年に入社した新入社員くんでした。彼は学生時代に同様の部品設計をしたことがあり、社内の我々よりも深い知見を持っていたのです。

技術の前ではみな平等です。年齢や立場は関係ありません。物理的・技術的に意味のある知見を持ちあって、みんなで問題を解決することが「問題を客観的にとらえる」という言葉にまとめられています。

まとめ

上司や同僚との意見相違は、避けられないものです。

しかし、その問題を乗り越えることで、より良い解決策が生まれるかもしれません。今回紹介した方法を参考に、職場でのコミュニケーションを改善していきましょう。

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この記事を書いた人

某自動車メーカー勤務、主に計算系の基礎研究と設計応用に従事してます。
自動車に関する技術や、シミュレーション、機械学習に興味のある方に役に立ちそうなことを書いてます。

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