リチウムイオン電池関連が投資家に注目されている、と報道されています。
電池の今後のトレンドに興味を持って頂いた方の参考になるよう、私が昨年から情報収集してツイートしていた内容を簡単にまとめます。
※この記事はある程度「電池」の事をご存じの方向けに書かれています。これとかこれで勉強頂くと、より理解が深まるかと思います。
車載電池のトレンド
日経クロステックで特集されていた、電池に関する記事です。今後の動向をつかむうえで、まずはこれを読むと勉強になります。
リチウムイオン電池推進派のなかにも、液体電解質のLIB派と、全固体電池信者がおり、この記事は全固体電池に懐疑的な記事です。
つまり、市場価値を過剰評価している可能性がありますので、その点留意ください。
車載電池市場は2030年まで伸びる
電池の市場は今後10年で大きく伸びる事が予想されています。
特に、自動車メーカーがEVへシフトを始めた事から、電池分野への設備投資は非常に大きくなると考えられています。
期待される技術的進歩
電池の改良の方向としては、電極に用いるNiを増やす方向で研究開発が行われており、Ni需要の増加が予想されます。
また、Coの原材料確保が難しくなる(既に難しい)ことも報道されています。
中国が政策としてEV普及を推し進めている事から、中国での電池生産量が圧倒的に伸びると予想されます。
特に、自動車メーカーは、中国で販売するEVに搭載する電池は中国国内から調達するように指示されており、各社EVに中国製の電池を搭載する仕様の車両を別途評価しているのが現状です。
※2020年2月29日追記
中国政府は「中国で販売するEVに搭載する電池は中国国内から調達」というルールを撤廃した模様。
それでも、大規模な電池供給能力のあるメーカーはCATL、BYDなど地場メーカーのため、実態は大きく変わらないと考えられます。
https://toyokeizai.net/articles/-/286333?page=2
EVに限った市場シェアでいけば、CATLがトップで、パナソニックが続いています。
トヨタとの協業でパナソニックの電池シェアも伸びると考えらます。
が、それ以上に、中国で電池を調達する先がCATLのほぼ一択であることから、2022年(各社のEV量産が軌道に乗る)までにCATLは大幅な伸びが予想されます。
2019年後半からCATLの株価は急騰。今後2022年前後までは安定して上がっていくと予想されます。
全固体電池の研究開発も進んでいますが、車載用に至るのはまだ先です。
先行するトヨタですら、2022年以降に実用化と報道がなされており、それまでは液体電解質のリチウムイオン電池が主流となります。
全固体電池については、他の記事「全固体電池 一番進んでるメーカーは?」もご参考下さい。
国内の電池関連企業は、↑の図がわかりやすい。
ただ、長期的な目線で生き残る企業は、量産のために多額の設備投資が可能なメーカーに限られます。つまり、電池技術で先行しつつ、投資体力のある大企業が生き残ると思われます。
全固体電池に限って言えば、日本企業が多くの技術を握っています。
このように、今後、リチウムイオン電池は車載用を主な市場として大幅に成長する事が予測されます。
今後も動向を注視していきます。
コメント