中国の新興EV企業、NIO。
NIOは、バッテリー交換ステーションのサービスを提供しています。
充電する代わりに、電池をまるまる入れ替えようというシンプルな発想です。
NIOとは
NIOは、中国の新興EVメーカーです。
中国版テスラとも呼ばれており、既に複数のEVを市場投入しています。
ダッシュボードの上に設置されているスマートスピーカーが特徴的で、車両のデジタル化と電動化を推し進めている先進的な企業です。
NIOの電池交換技術
NIOは、大容量の電池を搭載する車両について、充電ではなく、電池そのものを交換するサービスを展開しています。
バッテリー交換ステーションには10基のバッテリーユニットが保管されています。
中国のバッテリー交換ステーションの実態
既に1200か所のバッテリー交換ステーションが存在するようです。
交換自体は自動で行われますが、ステーションは無人ではなく、2人のスタッフが交換をサポートしていることがわかります。
充電ステーションにバッテリーの用意があるかは、車両側から確認できます。
電池交換のための位置合わせ
電池を交換するためには、車体床下の電池位置と、ステーションの機器の位置を正確に合わせる必要があります。
この位置合わせのために、NIOの車両は自動運転での駐車を利用しています。
ユーザはボタンを押すだけでよく、ユーザ側への負担軽減が図られていることがわかります。
自動運転でも調整できない位置ずれは、ステーション側の設備で微調整が行われます。
車体床下のバッテリーの交換が行われます。
2020年の映像では、スタッフが乗り込み駐車をしている様子が映し出されていましたが、現在は自動運転での駐車機能が追加されているようです。
所要時間は
中国のNIOユーザのリポートによると、バッテリー交換に要した時間は、駐車してから5分20秒とのこと。
通常、100kWhの充電には、急速充電を用いても20時間近くかかります。
たった5分半で、100kWhのバッテリーをフル充電にすることが可能と考えると、バッテリー交換技術も捨てたものではないと考えることができます。
NIOは他メーカーにも交換ステーションを開放
NIOは自動車大手の重慶長安汽車(Changan Automobile)と浙江吉利控股集団(Geely Group Holding)と、バッテリー交換事業で協業しています。NIOは、バッテリー交換ステーションなどのシステムを自社専用のネットワークと他社との共有ネットワークに分ける方針です。
共有ネットワークは、NIO車だけでなく、他社製の車も利用できるようにすることが目的です。
NIOは電池事業を切り離し再編する
2024年現在、中国の自動車市場が減速している状況でもあり、NIOは他のEVメーカーと同様に売り上げの伸びが鈍化しています。NIOは安易に値下げ競争に参加しないなど、自分たちの独自の道を切り開こうとしている姿勢も垣間見えます。
NIOはバッテリー製造事業を分離して新会社を設立し、外部の投資家を探す計画です。コスト削減と効率化を図り、できる限り早い黒字化を目指す取り組みの一環とみられます。
同様に、バッテリー交換についても分社化される可能性があり、注目が必要です。
まとめ
NIOのバッテリー交換ステーションの実態を解説しました。
NIOが日本進出するとは考えにくいですが、中国、欧州ではバッテリー交換技術の選択肢もあり、今後も動向を注視していきたいと思います。
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