理系の技術職が転職活動をする際に気になるのは、英語力です。特に大企業を志望する場合には、高い英語力が求められるのでは…?と考えてしまいます。
この記事では、大企業転職にTOEICは必要なのか?に焦点を当てて解説します。
結論:TOEICスコアは必要
残念ながら、理系の大企業転職にはTOEICスコアは必要です。
理系メーカーでも、大手は新卒就活で600点以上のTOEICスコアを求めてくる企業が多いです。特に近年は就活生の英語力が向上しており、大卒の上位層は理系でも「普通にTOEICスコア600」を持っているような時代です。
転職も同じで、TOEICは600点以上で及第点、750点ほどあれば差別化できる、というのが一般的な認識です。入社時に必要でなくとも、入社後の昇進にTOEICが要件になっている企業も多く、履歴書にもTOEICのスコア記入欄があることが多いです。
キャリア求人 | |
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トヨタ自動車 | 600点~730点(昇進に必要) |
日産自動車 | 730点 |
三菱自動車 | 600点以上 |
ソニーグループ | 650点以上 |
パナソニック | 550点(昇進に必要) |
たとえば、ソニーグループの求人には「ビジネス上のメールのやり取り、会議出席の経験のある方の応募を歓迎します」という記載もあり、それに相当するTOEICスコアとして650点以上を設けています。
技術者の転職で最も重要なのは英語力ではない
技術者の転職で最も重要なのは、応募者の技術力と、職場でうまく仕事ができそうか、が最も重要視されます。英語力が理由で不採用となることはほぼないと言えます。
英語力よりもまず、自身のこれまでのキャリアの棚卸と、応募先企業でどんな仕事をしたいのかを考え、イメージを持つことを優先すべきです。英語力の不安はその後にすべきでしょう。
英語が採用を左右する場合があるとすれば、人気企業の場合、複数の応募者の中から選考されるため、同じような経歴・年齢である場合には、その他の要素(筆記テストや英語力など)で最終的に判断される可能性もあります。
TOEICの点数が足らないから、と転職を諦めてしまうのはもったいない話です。
実務に必要なのはスピーキング
入社後に苦労するのは、スピーキングです。海外の関係会社などとの会議では、自身の意見を述べたり、技術的な質問をしたり、といった英語力が必要となります。
筆者(TOEICスコア800以上)も、月に数回の海外支社との打ち合わせで、海外業務の進捗確認と、日本と海外の調整、ディスカッション、今後の計画の議論などを行っていますが、英会話には常に苦労しています。苦労してTOEICスコア800を超えたのに、言いたいことが言えない、聞きたいことが聞けない、といったことが日常茶飯事です。
リスニングは、TOEICの600点レベルがあればなんとかなります。外国人は「日本人は英語が苦手である」ことは理解してくれますので、我々が理解できるようにゆっくり分かりやすく話してくれます。一方でスピーキングは、自信の能力で伝えたいことを言語化する必要があり、かつ練習する機会も少ないため身に付きにくいスキルです。
大企業、特に理系が就職するメーカーでは海外売上比率の高い企業が多く、海外とのやりとりで英語プレゼンも求められることも多いです。その点でも、英語から逃れることはできない(逃げると仕事の幅が狭まる)と覚悟しましょう。
まとめ
理系の大企業転職にTOEICは必要です。各企業は目安の点数を設定していますので、ひとつの目標としてスコアを取得しておくことをお勧めします。一方で、実務で必要となるのは英会話であることも意識しておく必要があります。
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