CAE解析で ミス を連発する人がやるべき対策4選

シミュレーション

CAE解析はエラーに出会うことが多い仕事です。そしてエラーの原因はヒューマンミスであることが多いです。

私自身、10年以上CAE解析業務をしていますが、昔はよくヒューマンエラーを犯していました。CAE解析において、ヒューマンエラーを無くす方法を、私の経験も交えて書きます。

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CAEにおけるヒューマンエラーの例

CAE解析におけるヒューマンエラーとして、以下のような例が考えられます。

・境界条件の設定を誤る

・意図していない物性値を入れてしまう

・CADデータ作成時に寸法を間違える

・結果処理で異なる値を参照してしまう

ヒューマンエラーによるミスは、CAE結果の信頼性を低下させます。

プログラミングでよく言われる「プログラムは書いた通りにしか動かない」は、CAE解析でも同じです。入力した境界条件通りに結果が得られます。

正しい境界条件を設定すれば正しい結果が得られますが、間違った境界条件を入力すると、ソフトウェアがどれだけ優秀でも間違った答えが出ます。

大規模なCAE解析では、計算時間が1週間などもザラで、一つのミスで1週間まるまる無駄にすることもあります。

私は、なぜかミスをしない人の思考法という書籍で、なぜミスをするのか、致命的なミスを先回りして防ぐ方法を学びました。

実践的な本で、著者が製造業に明るい方ということもあり、具体的な失敗事例が技術者向きです。

この書籍をもとに、CAE解析でのヒューマンエラーをなくすための方法を紹介します。

① 自動化する

境界条件の設定を誤るなどの、ソフトウェアの操作ミスは、「気をつける」というような精神論では解決できません。ミスの根本原因を見つけて、業務の「構造」を抜本から必要があります。

根本の原因は、人間がGUI画面をポチポチ操作することにあります。数十~数百の設定項目を、ミスなくすべて設定するのは、人間には難しいのです。

そこで、CAE業務を機械にやらせます。自動化することにします。

多くの商用ソフトウェアは、GUI上での操作を自動化することが可能です。

参考:ANSYS Fluentの操作を自動化する

例えば、寸法違いの計上で強度計算をするのであれば、マクロ(自動化プログラム)を作成し、寸法だけをプログラム上で書き換えて実行するようにします。

CAEにおける自動化は、作業時間の短縮だけでなく、操作ミスを減らすことで無駄な計算をしないことによる効果もあります。

② 計算の途中経過から予兆を読み取る

失敗には必ず予兆があります。「このときに気付いていれば防げたものを…」という予兆がどこで出るかを意識します。

CAEの繰り返し計算では、計算途中の残差や結果が予兆に当たります。

解析が意図したように進んでいるかどうか、収束前の結果からでも推測できます。

週末に計算を投げるのであれば、最初の数iteration や数time stepを見守り、問題がなさそうか確認しておくことで、意図した結果が得られるかどうかを計算初期の段階で

③ 紙に境界条件を書き出してチェックする

ミスは、頭の整理が追い付かない状態から起こります。

頭の整理に効果があるのが、紙に設定項目を書き出す方法です。

必要な設定項目が一覧化されることで、設定のし忘れを防ぐことができます。

エクセルファイルなどに条件を書くよりも、画面外の紙面にメモ書きしたほうが参照しやすくなります。

また、過去に設定ミスをやらかした項目があれば、強調しておきます。

④ 重要なポイントをダブルチェックする

ヒューマンエラーを防ぐために、ダブルチェックは重要です。

一方で、すべての項目をダブルチェックすることは、あまり効率的ではありません。重要な項目を重点的にチェックしましょう。

応力解析であれば、ヤング率やポアソン比などの物性値の入力を誤ると、結果に大きく影響します。一方で、熱伝導率の入力を間違えたとしても、結果には影響がないでしょう。

このように、重視すべき項目をきっちり把握して作業することで、大きなミスから潰していくようにします。

それでもミスをしたら

対策をしても、ミスをしてしまうこともあります。そんなときは、隠蔽せずに正直に周囲に伝えましょう。計算でミスをしても、誰も死にませんが、間違った計算結果で設計を続けてしまうと、製品が人を殺めてしまう可能性もあります。

ミスから学ぶことも多いです。失敗を捨てない心構えが必要です。

境界条件を間違えて設定した計算は、「異なる境界条件で計算するとどうなるか」のデータが取れたものと考え直してみます。データもちゃんとまとめて、ひとつの知見として残しておけば、いつか役に立つことがあるかもしれません。

まとめ

CAE解析でヒューマンエラーをなくす方法を紹介しました。

①自動化する
②計算の途中経過を確認する
③紙に境界条件を書き出す
④重要なポイントをダブルチェックする

ミスを回避するために、問題の構造を考える、予兆を見つける、などの手法は、書籍「なぜかミスをしない人の思考法」にまとめられています。

一冊読むだけで、ヒューマンエラーに対する意識が変わります。おすすめです。

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この記事を書いた人

某自動車メーカー勤務、主に計算系の基礎研究と設計応用に従事してます。
自動車に関する技術や、シミュレーション、機械学習に興味のある方に役に立ちそうなことを書いてます。

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