テスラのギガファクトリー6工場の一覧と今後の計画

テスラ

イーロン・マスクは、テスラとして年2000万台の電気自動車を作りたいという大きな目標を持っています。そのために、テスラはギガファクトリーという大規模な工場を建設、現在テスラは世界中にいくつかのギガファクトリーを運営しており、さらに増やす必要があると明言しています。

この記事では、テスラのギガファクトリーの一覧と、今後の展望を解説します。

ギガファクトリーとは

フリーモントに位置するテスラの最初のギガファクトリー

ギガファクトリーは、テスラの自動車工場を指します。この工場では、バッテリーや電気自動車を製造しています。テスラはすでに5つの大きなギガファクトリーを持っており、今後はメキシコにも新しい工場を建設する予定です。イーロン・マスク氏は、今後数年間でさらに10〜12のギガファクトリーを建設したいと話しています。

テスラのギガファクトリー一覧

ギガファクトリー製造能力製造内容と備考
フリーモント🇺🇸年間55万台モデル Sとモデル X
テスラ初のギガファクトリー
ネバダ🇺🇸(電池等の部品生産)バッテリーと電気モーター
テキサス🇺🇸週5,000台
(年間26万台)
モデル Y
サイバートラック
テスラ社の世界本社
上海🇨🇳年間75万台以上モデル 3とモデル Y
ベルリン🇩🇪年間35万台以上バッテリーセル、モデル Y
メキシコ🇲🇽
(計画中)
未確定計画が進行中
10-12のギガファクトリーを建設予定
アジア地域に狙い?

現在、世界中に5つのギガファクトリーが稼働しています。

アメリカ国内には、フリーモント、ネバダ、テキサスにギガファクトリーがあります。フリーモントのギガファクトリーはテスラとして最初の製造拠点です。トヨタ自動車とGMが合弁で設立した自動車の製造会社NUMMIの製造工場を引き次いで利用しており、年間55万台のモデルSやモデルXを製造しています。

サイバートラックなどを製造するテキサスのギガファクトリー

カリフォルニアの東に位置するネバダのギガファクトリーでは、バッテリーや電気モーターの生産を行っています。東海岸に近いテキサスは、モデルYやサイバートラックを生産するテスラの世界本社です。

ギガファクトリー・ニューヨークも存在しますが、ソーラールーフ、ソーラーパネル、スーパーチャージャー用電気部品を製造しており、テスラ車両の製造は行っていません。

ギガ・シャンハイは中国向けEV製造の主要拠点となっている

アメリカ国外でも、上海、ベルリンにギガファクトリーがあります。上海ではモデル3やモデルYを作り、年間75万台以上の自動車を出荷しています。ベルリンには2022年に開設されたギガファクトリーがあります。ここではバッテリーセルを作り、年間35万台以上のモデルYを作ることができます。ベルリンのギガファクトリーの建設費用は非常に高価で、総額約55億ドルに上ると言われています。

テスラの将来計画

テスラのギガファクトリー(ネバダ)

テスラにより公表されている将来の計画によれば、彼らは今後より多くの電気自動車を販売する予定です。2023年現在の販売数は年間137万台ですが、2030年までには2000万台まで増やすことを目指しています。これは、現在のトヨタの約2倍の規模です(トヨタの2022年の販売台数が約900万台)。

イーロンマスクは、テスラのギガファクトリーの計画について以下のように発言しています。

“Ultimately, we will end up building, I don’t know, probably at least 10 or 12 Gigafactories,” (最終的には、おそらく少なくとも10か12のギガファクトリーを建設することになるだろう。)

年間2000万台を生産するためには、10~12個のギガファクトリーが必要だとイーロンマスクは考えているようです。

直近で注目されているのはメキシコ

メキシコにもギガファクトリーを建設する計画

メキシコにもギガファクトリーを建設する計画があります。この工場は、モンテレーという産業の中心地に位置しています。テスラは、2023年5月にこの計画を発表し、工場建設のために約100億ドルの費用がかかると言われています。

ただ、テスラはすぐにメキシコのギガファクトリーに着工しない可能性が高いです。2022年に開所したテキサスのギガファクトリーの生産が軌道に乗るまでは、メキシコの工場への投資は控えめになると考えられます。

次世代車両(低価格EV、コートネームレッドウッド、通称モデル3)の生産が、テキサスで2025年後半から2027年のどこかで始まるとされており、テスラは2026年以降にメキシコのギガファクトリーでの生産を開始する予定を立てている可能性があります。

アジアにも拠点を構えたい

テスラは他の地域でもギガファクトリーの建設を検討しています。例えば、東南アジアエリアやインドネシア、タイなどでテスラがEV生産工場を建設する可能性があると報じられています。ただし、具体的な計画や契約はまだ確定していません。

テスラはインドや韓国でも調査を進めている様子で、アジア圏で中国以外のギガファクトリーを建設したい思惑が見えてきます。特に、「アジアのデトロイト」として知られるタイは、ギガファクトリーの誘致に積極的であると考えられており、今後のテスラとタイ地元政府との交渉に注目が集まります。

BYDに勝つためにコスト削減は必須

BYDは低価格で高い品質の製品を提供し始めている

テスラはコスト削減をしなければならない状況に追い込まれています。2022年頃から、テスラのシェアが少し下がり、中国BYDのシェアが増えています。

BYDシェア拡大の主要因は、高いコスト競争力です。BYDが安いEVを作ることができる理由は電池を作っている会社であるためで、電気自動車の価格の3-4割を占める電池のコストをコントロールできるBYDは車両価格も下げやすいのです。

一方、テスラは自社で電池を製造してはいますが、大部分はパナソニックやCATL、LGといった他の会社から電池を調達しています。この点で、テスラとBYDは少し戦略が異なります。

テスラはコンパクトモデルのモデル2(レッドウッド)を開発中と噂されている

テスラがBYDとEVのコスト競争で勝利するためには、コスト削減は必達の課題であり、生産方法の改善を進めています。特に、通称「モデル2(レッドウッド)」と呼ばれる低価格EVに向けて、コストを半分にすることを目指していると言われています。

電池のコストはもちろん重要ですが、劇的なコスト削減は難しく、車の組み立て工程ではまだ改善の余地があり、「Unboxed Process」や「メガキャスティング」といった技術開発をして、製造コスト削減を進めています。

まとめ

テスラのギガファクトリーは、テスラの成功の鍵となる大規模な製造拠点です。これまでのギガファクトリーはバッテリーや車の生産において重要な役割を果たしてきましたが、テスラはさらなる拡大を目指し、世界中に新たなギガファクトリーの建設を予定しています。

テスラのギガファクトリーは、持続可能な未来に向けた取り組みと電気自動車の需要の増加を支える重要な存在です。今後も注目が必要です。

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