モバイル機器向けリチウムイオン電池の市場シェアランキング

リチウムイオン電池

モバイル機器の普及に伴い、リチウムイオン電池の需要が急増しています。これらの電池は、スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなど、日常生活で使用される多くのデバイスの心臓部とも言える部分です。今回は、この競争が激しい市場で、どの企業がリードしているのか、最新の市場シェアランキングをご紹介します。

モバイル機器向けリチウムイオン電池の市場シェアランキング

以下に、2022年におけるモバイル機器向けリチウムイオン電池のシェアランキングを紹介します。

順位会社名市場シェア (%)前年比の変化 (ポイント)
1Amperex Technology Limited(ATL)37.5-1.3
2サムスンSDI11.1-0.4
3LGエネルギーソリューション10.21.9
4BYD9.30.5
5COSMX7.40.6
その他24.5-1.3
2022年のモバイル機器向けリチウムイオン電池の市場シェアランキング(テクノシステムリサーチ情報をもとに当サイト作成)

アンペルックステクノロジー(ATL)は37.5%の市場シェアを持ち、モバイル機器用リチウムイオン電池市場で最大のプレイヤーです。サムスンSDI、LGエネルギーソリューション、BYD、CosMXなどの他の企業が高い市場シェアをもちます。

ATLとサムスンSDIが市場シェアを若干失っているのに対し、LGエネルギーソリューション、BYD、CosMXは市場シェアを伸ばしています。

2022年のモバイル機器向けリチウムイオン電池の市場シェアランキング(テクノシステムリサーチ情報をもとに当サイト作成)

市場シェアを伸ばしている企業は、一般的に技術革新と製品開発に積極的な企業である傾向があります。ALTやSamsung、LG、BYDはEV用電池でも高いシェアを誇る企業で、モバイル電池の企業が自動車業界でも強みを持っていることが伺えます。

「その他」カテゴリーが市場の24.5%を占めることから、多くの中小企業や新興企業が市場に参入していることがわかります。モバイル機器用リチウムイオン電池市場に参入する企業が多様化していることを示しています。

参考:EV向けリチウムイオン電池の市場シェア

EV用リチウムイオン電池の市場シェア(SNE Research情報を基に当サイト作成)

以下の記事では、EV向けのリチウムイオン電池の市場シェアを紹介しています。モバイル向け電池のシェアと比較すると、モバイルで成功しているサムスンのシェアが低いことや、モバイルではTOP5に入らないパナソニックが、EV市場では上位につけていることなど、興味深い比較もできます。

注目すべき個別企業

以下、モバイル向けリチウムイオン電池の市場シェアにおて、注目すべき個別企業を紹介します。

Amperex Technology Limited(ATL)

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Amperex Technology Limited(ATL)は、中国のバッテリーメーカーです。車載電池最大手として知られるCATLの分離元会社でもあります。(2011年に、ATLのEVバッテリー事業を新会社Contemporary Amperex Technology Co. Limited ( CATL )として分離しています。)

スマートフォンバッテリーマーケットでリーダーの地位を保持している理由はいくつかあります。特にミッドレンジおよびハイエンドデバイスでの高容量バッテリーセルへの需要増は、ATLの売り上げ増加に大きく寄与しています。

ATLの車載部門であったCATLは中国市場で1位を維持していますが、2022年ごろから中国国内でのシェアが低下してきています。以下の記事では、CATLの課題を解説しています。

サムスンSDI

Samsung SDIはスマートフォン用バッテリーメーカーとしても高いシェアを持ちます。Samsung SDIは2000年にリチウムイオン充電式バッテリー事業を開始して以来、製品品質と安定性の向上に努めてきました。近年、世界初のフレキシブルバッテリーの発売に成功するなど、技術開発の面でも評価されています。

Samsung SDIはラップトップ、タブレット、モバイルフォン、ウェアラブルデバイス、パワーバンクなどのITデバイス用のバッテリーをはじめ、パワーツール、ガーデンツール、掃除機などの電源デバイスや、eバイク、eスクーターなどの交通機器向けのバッテリーも製造しています。EV(電気自動車)向けのバッテリー市場においても高いシェアを持ちます。​​​

LGエネルギーソリューション


LGエネルギーソリューション(LGES)は韓国のバッテリーメーカーです。

EV市場ににおいては、特に北米の電気自動車(EV)バッテリー市場で重要なプレーヤーです。同社はテスラやゼネラルモーターズなどの主要自動車メーカーにバッテリーを供給しています。

LGESは困難な状況に陥っており、その原因のひとつが米国偏重の投資と言われています。以下の記事では、LGの直面する課題について詳しく解説しています。

BYD

BYDはもともとバッテリーメーカーとしてスタートし、2022年には、グローバルなモバイル電話用バッテリー市場でも高いシェアを誇るサプライヤーとなっています。

BYDのコスト競争力は、主要な部品の内製によって実現されています。BYDは中国のEV市場で圧倒的な存在感を示し、独自の垂直統合モデルを構築しています。

COSMX

COSMXは2007年に設立され、本社は中国・珠海にあります。COSMXは民生用リチウムイオン電池の世界的な主要サプライヤーの一つであり、パソコン、ノートパソコン、タブレット、スマートフォン、スマートウェアラブル、電動工具、ドローンなどの分野で有名な企業です。

COSMXは多くの自動車メーカーのサプライヤーとしても販売・納入しているようですが、車載用でのシェアは大きくありません。

まとめ

モバイル機器向けリチウムイオン電池市場は、技術革新とコスト削減が成功の鍵となっています。ATLが依然としてリーダーの座を保っていますが、LGエネルギーソリューションやBYDなどの企業が追い上げを見せており、市場は日々変化しています。消費者としては、これらの競争が製品の品質向上と価格低下につながることを期待できるでしょう。

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