リチウムイオン電池の原料”リチウム”生産の主要企業と、今後の価格推移

技術系読みもの
アタカマ塩湖(Google map)

近年、環境問題やエネルギー問題への取り組みが盛んになっており、電気自動車(EV)の普及が急速に進んでいます。

その中心となる技術がリチウムイオン電池であり、その原料であるリチウムの生産量に注目が集まっています。

これまで、リチウム材料はほぼ海外企業による生産に依存していましたが、住友鉱山は、リチウム原料の生産を始めると発表しました。アルゼンチンやチリでの生産を想定しており、年間2~3万トンの生産を想定しています。

この記事では、リチウムの採掘方法や用途、主要な産出国、リチウム採掘企業、そして価格の推移や今後の見通しについて解説します。

チリウムとは

経産省資料 蓄電池産業の現状と課題について

リチウムは、地球上に豊富に存在する金属元素で、軽量でありながら高いエネルギー密度を持っています。リチウムは、リチウムイオン電池の原料として広く使われており、電気自動車やスマートフォン、パソコンなどの電子機器で利用されています。

チリのリチウム生産の主要地域、アタカマ塩湖(Google map)

原料リチウムは、主に硬岩鉱床と塩湖から採掘されます。

主要生産国のチリでは塩湖から採掘されます。地下のリチウムを含む水をくみ上げ、太陽光による蒸発で濃縮させ、最終的にリチウムを抽出する方法が一般的です。

リチウムの最も重要な用途は、リチウムイオン電池の製造です。

特に、電気自動車(EV)市場の拡大に伴い、リチウムの需要が急速に増加しています。さらに、再生可能エネルギーの普及に伴い、エネルギー貯蔵システムの需要も高まっており、リチウムイオン電池がその中心的な役割を担っています。

国ごとのリチウム生産量

国別リチウム生産量(2021年時点での生産量をもとに作成)

リチウムの主要な産出国は、チリ、アルゼンチン、オーストラリアなどです。これらの国々は、世界のリチウム生産量の大半を占めています。

一方で、日本でリチウム資源はほとんど存在しないため、輸入に依存しています。

企業ごとのリチウム生産量

2020年時点での企業別のリチウム生産量

リチウムの採掘は、多くの国際企業によって行われており、チリのSQMや米アルベマールが有名です。

中国とチリの経済関係は深く、中国のリチウム大手の天斉リチウム業は、2018年にSQMの株式の24%を取得しています。

日本では住友鉱山がアルゼンチンやチリでのリチウム採掘事業を展開すると発表しており、世界市場での競争が激しくなっています。

企業別リチウム生産量の推移

特に中国の企業が急速に成長しており、2020年以降、中国のガンファン・リチウムの生産量が飛躍的に増加しています。

中国のガンファンリチウムの生産量が大幅に増加した背景には、中国政府がEVの普及を促進するために、国内のリチウムイオン電池産業を支援する政策を進めていることが挙げられます。

リチウム価格

リチウム – 先物契約 – 価格 jp.tradingeconomics.comより引用

リチウム価格は、需給バランスや投資家の期待などによって変動します。

過去数年間で、リチウム価格は急騰したり急落したりするなど、大きな変動がありました。これは、EV市場の拡大やリチウム生産量の増加が影響していると考えられます。

経産省資料 蓄電池産業戦略より、蓄電池市場の拡大

長期的な視点では、リチウムは電気自動車やエネルギー貯蔵システムの需要増加に伴い、引き続き重要な資源となります。

短期的には在庫増加や新規採掘プロジェクトの影響で価格変動があるかもしれませんが、長期的には需要が増えることが予想されます。

リチウム資源の価格はともかく、リチウム資源採掘に関わる企業の企業価値が上向くことは想像できます。

トヨタはEVを2026年に年間150万台販売するとしている トヨタ自動車記者会見資料より

各自動車メーカーは、電気自動車の販売台数を大幅に増やす計画を発表しています。

直近でも、トヨタ自動車が2026年までに電気自動車の販売を、直近の2万台から250万台まで増やすと宣言したばかりです。リチウム市場は今後も盛り上がりを見せることでしょう。

国有化が進む

希少資源の保有国では、保護主義が広がっています。

メキシコでは2022年、リチウムを国有化する法改正が成立、2023年には、リチが2030年以降にリチウムの国有化に向けた動きを見せています。

インドネシアも、2020年からニッケルの未加工鉱石の輸出を禁止するなど、リチウムイオン電池材料の管理を国が強め、国益を守る方向に動き始めています。

日本も、海外での鉱山開発への三角などの手段を用いて、資源確保に取り組む必要が出てきています。

まとめ

リチウムイオン電池の原料であるリチウムは、電気自動車やエネルギー貯蔵システムなどの需要増に伴い、ますます重要性が高まっています。

リチウムの採掘方法や主要な産出国、採掘企業、価格の推移を把握することで、今後の市場動向やビジネスチャンスを見極めることが可能となります。リチウム市場は今後も大きな変化と成長が予想されるため、引き続き注目していきましょう。

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